【初心者必見】株の市場って何が違う?東証プライム・スタンダード・グロースを徹底比較!自分に合った銘柄の選び方まで解説

【初心者必見】株の市場って何が違う?東証プライム・スタンダード・グロースを徹底比較!自分に合った銘柄の選び方まで解説

東京証券取引所 兜町

株式投資を始めてみようと思ったとき、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」といった言葉を聞いて、何が違うのか分からず戸惑ってしまった経験はありませんか?実は、この市場の違いを理解することが、自分に合った投資スタイルを見つけ、賢く資産を築くための重要な第一歩となります。

この記事では、株式投資の初心者の方でも安心して一歩を踏み出せるように、東京証券取引所(東証)の3つの市場の違いを、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく解説します。それぞれの市場にどんな特徴があり、どんな企業が上場しているのか、そして、あなたがどの市場の銘柄を選べば良いのかまで、具体的なヒントを交えてご紹介します。この記事を読めば、市場選びの不安が解消され、自信を持って銘柄探しを始められるようになるでしょう。

東証の市場は3種類!2022年の再編で何が変わった?

かつて、東京証券取引所には「東証一部」「東証二部」「マザーズ」など、複数の市場がありました。しかし、それぞれの市場のコンセプトが分かりにくいといった課題があったため、2022年4月に「プライム」「スタンダード」「グロース」という3つの市場に再編されました。 [3, 18, 21, 22, 24] この再編の大きな目的は、各市場の役割を明確にすることで、投資家が企業を選びやすくし、上場企業がさらに成長努力を続けることを促すためです。 [3, 22]

  • プライム市場:厳しい基準をクリアした、日本を代表する大企業向け
  • スタンダード市場:着実な成長を目指す中堅企業向け
  • グロース市場:高い成長が期待される新しい企業(ベンチャー企業)向け

このように、それぞれの市場が異なる個性を持つことで、投資家は自分の考え方や投資スタイルに合った企業を見つけやすくなったのです。

【徹底比較】プライム・スタンダード・グロース、それぞれの特徴は?

では、3つの市場の具体的な違いを見ていきましょう。それぞれの市場の特徴を、上場している企業のイメージや、投資家から見たメリット・デメリットを交えて解説します。

プライム市場:日本を代表する大企業が集まる「安定」の市場

どんな企業がいるの?
プライム市場には、トヨタ自動車やソニーグループ、任天堂といった、日本経済を牽引する超有名企業が数多く上場しています。 [19, 23] まさに、日本企業の「オールスター」が集まる市場と言えるでしょう。

特徴と投資家にとっての魅力
プライム市場に上場するためには、非常に厳しい審査基準をクリアしなければなりません。 [19, 20] そのため、業績が安定していて、財務状況も健全な企業が多いのが特徴です。株の取引量も非常に多く(流動性が高い)、株価の動きも比較的穏やかな傾向にあります。 [15] そのため、長期的な視点で資産をじっくり育てたい方や、配当金や株主優待を楽しみたい方、そして何より大きなリスクを避けたい株式投資初心者には最適な市場です。 [18]

注意点
企業として成熟しているケースが多いため、株価が短期間で数倍になるような急激な成長は期待しにくい側面もあります。

スタンダード市場:安定と成長の「バランス」が魅力の市場

どんな企業がいるの?
スタンダード市場には、全国的に有名ではなくても、特定の分野で高い技術力を持っていたり、地域社会に根ざして堅実な経営を続けていたりする優良な中堅企業が多く上場しています。 [20, 21] プライム市場へのステップアップを目指す成長企業も含まれます。

特徴と投資家にとっての魅力
プライム市場ほどの規模や安定性はないかもしれませんが、着実に成長を続けている企業が多く、今後の事業拡大も期待できます。 [20] まさに「安定性」と「成長性」のバランスが取れた市場です。
安定した経営基盤を重視しつつ、将来的な株価の値上がりも狙いたいという、バランス感覚のある投資家に向いています。

注意点
プライム市場とグロース市場の中間的な位置づけのため、やや特徴が掴みにくいと感じるかもしれません。企業ごとの個性をしっかり見極めることが大切になります。

グロース市場:未来のスター企業を発掘?!「成長性」に賭ける市場

どんな企業がいるの?
グロース市場は、新しい技術やこれまでにないサービスで急成長を目指す、設立して間もないベンチャー企業やスタートアップが中心です。 [20, 21] まだ赤字でも、将来性が評価されて上場する企業もあります。

特徴と投資家にとっての魅力
最大の魅力は、その高い成長可能性です。事業が成功すれば、株価が短期間で何倍にも跳ね上がる「テンバガー(10倍株)」になる可能性を秘めています。まさにハイリスク・ハイリターンな市場です。
将来性のあるビジネスモデルに投資し、大きなリターンを積極的に狙いたいという、リスクを許容できる投資家に向いています。

注意点
成長が期待通りに進まなかった場合、株価が大きく下落するリスクも常に伴います。業績や財務状況がまだ不安定な企業も多いため、投資する際は慎重な企業分析が不可欠です。初心者がいきなり大きな資金を投じるのは避けた方が賢明でしょう。

投資家 グラフ分析

一目でわかる!3市場の上場基準と特徴比較表

3つの市場の違いを、より分かりやすく比較できるように表にまとめました。特に「上場基準」を見ると、それぞれの市場が企業に求めているレベルの違いがよくわかります。

項目 プライム市場 スタンダード市場 グロース市場
コンセプト 日本を代表する大企業向け 堅実な中堅企業向け 高い成長性を持つ新興企業向け
投資の魅力 安定性、信頼性、配当 安定と成長のバランス 高い成長性、大きな値上がり益の可能性
注意点 値動きが穏やかで、急成長は期待しにくい 良くも悪くも中間的 株価の変動が激しく、リスクが高い
上場基準(概要) ・株主数:800人以上
・流通株式時価総額:100億円以上
・利益基準:直近2年の利益合計25億円以上など、非常に厳しい [15, 20]
・株主数:400人以上
・流通株式時価総額:10億円以上
・利益基準:直近1年の利益1億円以上 [20, 21]
・株主数:150人以上
・流通株式時価総額:5億円以上
・利益基準:なし [20, 21]
代表的な企業例 トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニーグループ [23] 日本マクドナルドHD、東映アニメーションなど ソラコム、トライアルHDなど

初心者向け!自分に合った市場と銘柄の選び方

さて、3つの市場の違いが分かったところで、次はいよいよ自分に合った銘柄を探すステップです。ここでは初心者の方でも簡単に実践できる、銘柄選びの3ステップをご紹介します。

STEP1: 自分の投資スタイルを決めよう

まずは、あなたが株式投資に何を求めるのかを考えてみましょう。

  • 安定重視(ローリスク・ローリターン):大きな値動きは怖いけれど、銀行預金よりは高いリターンを目指したい方。→ プライム市場の有名企業や、配当金が高い企業が中心になります。
  • 成長重視(ハイリスク・ハイリターン):多少のリスクは覚悟の上で、将来大きく成長しそうな企業に投資してみたい方。→ グロース市場の銘柄を、まずは少額から試してみるのが良いでしょう。
  • バランス重視(ミドルリスク・ミドルリターン):安定も成長もどちらも捨てがたい方。→ スタンダード市場の優良企業を探したり、プライム市場とグロース市場の銘柄を組み合わせて投資したりする方法があります。

この「投資スタイル」に正解はありません。自分の性格や資産状況に合わせて、無理のないスタイルを見つけることが大切です。 [2]

STEP2: 証券会社の「スクリーニング機能」を使ってみよう

投資スタイルが決まったら、次は具体的な銘柄探しです。証券取引所には数千もの企業が上場しており、その中から自力で探すのは大変です。そこで役立つのが、証券会社が無料で提供している「スクリーニング機能」です。 [11, 14] これは、たくさんの株式の中から「市場」や「業績」といった条件を指定して、候補となる銘柄を自動で絞り込んでくれる便利なツールです。 [11, 13, 17]

初心者におすすめのスクリーニング条件例
例えば、以下のような条件で検索すると、比較的安定していて、経営が上手な会社を見つけやすくなります。

  • 市場:「プライム市場」または「スタンダード市場」を選択
  • PER(株価収益率):15倍以下 → 会社の利益に対して株価が割安かどうかを示す指標。低いほど割安とされます。 [1, 4, 9]
  • ROE(自己資本利益率):10%以上 → 会社が持っている自己資本を使って、どれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標。稼ぐ力を表し、高いほど良いとされます。 [1, 4, 11]
  • 自己資本比率:30%以上 → 会社の全資産のうち、返済不要な自己資本がどれくらいの割合を占めるかを示す指標。高く、財務の安定性が高いことを意味します。 [11]

これらの指標は、投資家が企業の価値を判断するために使う代表的なものです。 [7, 10] 最初は難しく感じるかもしれませんが、スクリーニング機能を使えば簡単に条件設定ができますので、ぜひ試してみてください。

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STEP3: 最後は必ず自分で調べる!

スクリーニングは、あくまで銘柄探しの第一歩です。 [8] 絞り込まれた候補の中から、本当に投資したい企業を見つけるためには、最後の「ひと手間」が欠かせません。
企業のウェブサイトにある「IR情報(投資家向け情報)」をチェックしたり、決算短信(企業の成績表)に目を通したりしてみましょう。 [5] 難しい数字をすべて理解する必要はありません。「どんな事業で利益を上げているのか」「この会社はこれから伸びそうか」といった視点で見て、自分が「この会社を応援したい!」と思えるかどうかを判断することが大切です。

まとめ

今回は、東京証券取引所の「プライム」「スタンダード」「グロース」という3つの市場の違いと、初心者向けの銘柄の選び方について解説しました。

  • プライム市場は、安定志向の投資家向けの「大企業の舞台」
  • スタンダード市場は、安定と成長のバランスを取りたい投資家向けの「中堅企業の舞台」
  • グロース市場は、高いリターンを狙う成長志向の投資家向けの「新興企業の舞台」

それぞれの市場の特徴を理解し、自分の投資スタイルを明確にすることで、数多くある銘柄の中からでも、自分に合った投資先を見つけやすくなります。 [21, 22] 株式投資は、企業の成長を応援しながら、その恩恵を資産として受け取ることができる魅力的なものです。ぜひ、この記事を参考に、無理のない範囲から賢い投資家への第一歩を踏み出してみてください。