【初心者向け】株式移管の完全ガイド!手数料・日数・注意点を徹底解説

「A証券とB証券、複数の口座に株が散らばっていて管理が大変…」「手数料がもっと安い証券会社に株をまとめたいな」と考えたことはありませんか?そんなときに役立つのが「株式移管(いかん)」という手続きです。
株式移管とは、保有している株式を売却することなく、そのまま別の証券会社の口座に移動させることです。 これにより、面倒な売買手続きや、利益が出た場合の税金を気にすることなく、お気に入りの証券会社に資産をまとめることができます。
この記事では、株式投資の初心者の方でもスムーズに手続きができるよう、株式移管の基本的な流れから、意外と知られていない注意点、手数料、おすすめの証券会社まで、わかりやすく解説していきます。
株式移管のメリットとは?
そもそも、なぜ株式移管をするのでしょうか。主なメリットは以下の3つです。
- 資産管理がラクになる: 複数の証券会社に口座を持っていると、どこにどの銘柄があるのか把握するのが大変です。株式移管で一つの口座にまとめれば、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)全体を簡単に管理できるようになります。
- 取引コストを削減できる: 証券会社によって株式の売買手数料は異なります。 現在よりも手数料の安いネット証券に株式を移管すれば、今後の取引コストを大きく節約できる可能性があります。
- より良いサービスを利用できる: 各証券会社は、取引ツールやアプリ、情報提供サービス、ポイントプログラムなどで競い合っています。自分にとって使いやすく、お得なサービスを提供している証券会社に資産をまとめることで、より快適な投資環境を整えることができます。
このように、株式移管をうまく活用することで、より効率的でコストを抑えた資産運用が可能になります。
株式移管の基本的な流れ【簡単4ステップ】
株式移管の手続きは、思ったよりも簡単です。基本的には、現在株を預けている証券会社(移管元)で書類手続きを行うだけで完了します。

【株式移管の基本的な流れ】
- ステップ1:移管元の証券会社に書類を請求する
まず、現在利用している証券会社に連絡し、「口座振替依頼書」や「特定口座内上場株式等移管依頼書」といった書類を取り寄せます。 多くのネット証券では、ウェブサイト上から請求やダウンロードが可能です。 - ステップ2:必要事項を記入して返送する
取り寄せた書類に、移管したい株式の情報(銘柄名、株数)や、移管先の証券会社の情報(会社名、支店名、口座番号など)を正確に記入し、捺印して返送します。 - ステップ3:証券会社間で手続きが進む
書類が移管元の証券会社に受理されると、証券保管振替機構(通称:ほふり)という機関を通じて、移管先への振替手続きが行われます。この間、私たちが特別何かをする必要はありません。 - ステップ4:移管先の口座で入庫を確認
手続きが完了すると、移管先の証券口座に株式が反映されます。通常、ウェブサイトの残高照会画面などで確認できます。
移管にかかる日数と手数料
- 所要日数: 書類を提出してから移管が完了するまで、通常1週間から2週間程度かかります。 ただし、株主優待や配当の権利確定日が近い時期や、年末年始などは手続きが混み合い、通常より時間がかかることがあるので注意しましょう。
- 手数料: 株式移管の手数料は、証券会社によって異なります。 嬉しいことに、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といった主要なネット証券では、移管元(出庫)・移管先(入庫)ともに手数料を無料としている場合がほとんどです。 一方で、一部の対面型証券などでは出庫手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
【最重要】株式移管ができない7つのケース
便利な株式移管ですが、いつでもどんな株でも移せるわけではありません。思わぬところで「移管できません」とならないよう、注意すべきケースをしっかり確認しておきましょう。
-
口座の種類(区分)が違う
証券会社の口座には、税金の計算方法によって「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。株式移管は、原則として同じ種類の口座間でしか行えません。 例えば、「A証券の特定口座」から「B証券の一般口座」へ直接移すことはできないので注意が必要です。 この場合、一度A証券内で特定口座から一般口座へ移し替える手続きが必要になります。
-
NISA口座で保有している株式
NISA口座(新NISA、旧NISA含む)で保有している株式は、他の証券会社のNISA口座や課税口座(特定・一般口座)に直接移管することは制度上できません。 もしNISA口座の金融機関を変更したい場合は、一度その年のNISA枠で買い付けた商品を売却するか、課税口座に払い出した上で、新しい証券会社でNISA口座を開設し直す必要があります。
-
信用取引の担保になっている、または貸株サービスを利用中
信用取引の担保(代用有価証券)として預けている株式や、貸株サービスで貸し出し中の株式は、そのままでは移管できません。 移管するためには、信用取引の建玉を決済したり、貸株を返却してもらったりする手続きを先に行う必要があります。
-
移管先の証券会社で取り扱いのない銘柄
外国株式や一部のETF(上場投資信託)などは、証券会社によって取扱銘柄が異なります。 移管しようとしている銘柄を、移管先の証券会社が取り扱っていない場合は移管できません。 特に外国株の移管を考えている場合は、事前に移管先での取り扱いがあるか必ず確認しましょう。
-
投資信託やFXなど株式以外の商品
この手続きはあくまで「株式」を対象としたものです。投資信託やFX、債券などは、株式移管の仕組みでは移動できません。 投資信託の移管については、別途手続きが必要となり、移管先の証券会社で同じ投資信託を取り扱っている必要があります。
-
単元未満株(端株)
通常、株式は100株を1単元として取引されますが、それ未満の株数(1株~99株)を単元未満株と呼びます。証券会社によっては、この単元未満株の移管に対応していない場合がありますので、事前に確認が必要です。
-
移管手続き中に売買注文を出している
移管手続きを申し込んだ後に、その銘柄の売買注文を出すと、株数が変わってしまい手続きがエラーになる可能性があります。移管が完了するまでは、対象銘柄の売買は控えるようにしましょう。
特に注意!NISA口座の株式を移す場合

新NISAの開始を機に、NISA口座を別の金融機関に移したいと考えている方も多いでしょう。しかし、前述の通りNISA口座内の株式は、そのまま他の金融機関に移管することはできません。
では、どうすればよいのでしょうか。手順は以下の通りです。
- 現在の証券会社で、NISA口座で保有する株式を「課税口座(特定口座または一般口座)」に払い出す手続きをします。
- 課税口座に移された株式を、通常の株式移管の手続きで、新しい証券会社の課税口座へ移します。
【重要ポイント】
- NISA口座から課税口座に払い出した時点で、その株式は非課税のメリットを失います。その後の値上がり益や配当金には税金がかかるようになります。
- 一度売却して、新しいNISA口座で買い直すという方法もありますが、その場合、売却した分の非課税投資枠が復活するのは翌年以降になります(2024年からの新NISA制度の場合)。
NISA口座の金融機関変更は、年間の取引状況などによってその年に変更できない場合もあるなど、ルールが複雑です。手続きを進める前に、現在の証券会社と新しい証券会社の両方に手順をよく確認することをおすすめします。
株式移管におすすめの証券会社
これから株式移管をするなら、手数料が安く、サービスが充実しているネット証券がおすすめです。 ここでは、特に人気が高く、移管先として選ばれることの多い3社をご紹介します。
| 証券会社 | 特徴 | 移管手数料 |
|---|---|---|
| SBI証券 | 口座開設数No.1の最大手。取扱商品が豊富で、TポイントやVポイント、Pontaポイント、dポイントなど提携ポイントサービスが多彩。取引ツールも高機能で初心者から上級者まで幅広く対応。 | 入庫・出庫ともに無料 |
| 楽天証券 | 楽天ポイントが貯まる・使えるのが最大の魅力。日経新聞が無料で読める「日経テレコン」や、高機能な取引ツール「マーケットスピード」が人気。楽天経済圏をよく利用する方におすすめ。 | 入庫・出庫ともに無料 |
| マネックス証券 | 米国株の取扱銘柄数が豊富で、分析ツール「銘柄スカウター」の評判が高い。投資初心者向けのコンテンツも充実しており、学びながら投資を始めたい方にぴったり。 | 入庫・出庫ともに無料 |
※上記の情報は2025年11月時点のものです。最新の情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。
これらのネット証券は、株式移管の手数料が無料なだけでなく、国内株式の売買手数料も無料化(または条件付きで無料)する動きが進んでいます。 長期的なコスト削減という点でも、移管を検討する価値は大きいでしょう。
まとめ
株式移管は、複数の証券会社に散らばった資産を一つにまとめ、管理を効率化し、取引コストを削減するための有効な手段です。手続き自体は書類の提出が中心で、それほど難しいものではありません。
しかし、「NISA口座の株は移管できない」「口座の種類が違うと移管できない」など、いくつかの重要なルールがあります。ご自身の状況が移管可能なケースに当てはまるか、この記事を参考にしっかりと確認し、計画的に手続きを進めましょう。
よりお得で便利な証券会社に資産をまとめることで、あなたの投資ライフはさらに快適になるはずです。
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【初心者向け】株式移管の完全ガイド!手数料・日数・注意点を徹底解説

「A証券とB証券、複数の口座に株が散らばっていて管理が大変…」「手数料がもっと安い証券会社に株をまとめたいな」と考えたことはありませんか?そんなときに役立つのが「株式移管(いかん)」という手続きです。
株式移管とは、保有している株式を売却することなく、そのまま別の証券会社の口座に移動させることです。これにより、面倒な売買手続きや、利益が出た場合の税金を気にすることなく、お気に入りの証券会社に資産をまとめることができます。
この記事では、株式投資の初心者の方でもスムーズに手続きができるよう、株式移管の基本的な流れから、意外と知られていない注意点、手数料、おすすめの証券会社まで、わかりやすく解説していきます。
株式移管のメリットとは?
そもそも、なぜ株式移管をするのでしょうか。主なメリットは以下の3つです。
- 資産管理がラクになる: 複数の証券会社に口座を持っていると、どこにどの銘柄があるのか把握するのが大変です。株式移管で一つの口座にまとめれば、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)全体を簡単に管理できるようになります。
- 取引コストを削減できる: 証券会社によって株式の売買手数料は異なります。現在よりも手数料の安いネット証券に株式を移管すれば、今後の取引コストを大きく節約できる可能性があります。
- より良いサービスを利用できる: 各証券会社は、取引ツールやアプリ、情報提供サービス、ポイントプログラムなどで競い合っています。自分にとって使いやすく、お得なサービスを提供している証券会社に資産をまとめることで、より快適な投資環境を整えることができます。
このように、株式移管をうまく活用することで、より効率的でコストを抑えた資産運用が可能になります。
株式移管の基本的な流れ【簡単4ステップ】
株式移管の手続きは、思ったよりも簡単です。基本的には、現在株を預けている証券会社(移管元)で書類手続きを行うだけで完了します。

【株式移管の基本的な流れ】
- ステップ1:移管元の証券会社に書類を請求する
まず、現在利用している証券会社に連絡し、「口座振替依頼書」や「特定口座内上場株式等移管依頼書」といった書類を取り寄せます。多くのネット証券では、ウェブサイト上から請求やダウンロードが可能です。 - ステップ2:必要事項を記入して返送する
取り寄せた書類に、移管したい株式の情報(銘柄名、株数)や、移管先の証券会社の情報(会社名、支店名、口座番号など)を正確に記入し、捺印して返送します。 - ステップ3:証券会社間で手続きが進む
書類が移管元の証券会社に受理されると、証券保管振替機構(通称:ほふり)という機関を通じて、移管先への振替手続きが行われます。この間、私たちが特別何かをする必要はありません。 - ステップ4:移管先の口座で入庫を確認
手続きが完了すると、移管先の証券口座に株式が反映されます。通常、ウェブサイトの残高照会画面などで確認できます。
移管にかかる日数と手数料
- 所要日数: 書類を提出してから移管が完了するまで、通常1週間から2週間程度かかります。ただし、株主優待や配当の権利確定日が近い時期や、年末年始などは手続きが混み合い、通常より時間がかかることがあるので注意しましょう。
- 手数料: 株式移管の手数料は、証券会社によって異なります。嬉しいことに、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といった主要なネット証券では、移管元(出庫)・移管先(入庫)ともに手数料を無料としている場合がほとんどです。一方で、一部の対面型証券などでは出庫手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
【最重要】株式移管ができない7つのケース
便利な株式移管ですが、いつでもどんな株でも移せるわけではありません。思わぬところで「移管できません」とならないよう、注意すべきケースをしっかり確認しておきましょう。
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口座の種類(区分)が違う
証券会社の口座には、税金の計算方法によって「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。株式移管は、原則として同じ種類の口座間でしか行えません。例えば、「A証券の特定口座」から「B証券の一般口座」へ直接移すことはできないので注意が必要です。この場合、一度A証券内で特定口座から一般口座へ移し替える手続きが必要になります。
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NISA口座で保有している株式
NISA口座(新NISA、旧NISA含む)で保有している株式は、他の証券会社のNISA口座や課税口座(特定・一般口座)に直接移管することは制度上できません。もしNISA口座の金融機関を変更したい場合は、一度その年のNISA枠で買い付けた商品を売却するか、課税口座に払い出した上で、新しい証券会社でNISA口座を開設し直す必要があります。
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信用取引の担保になっている、または貸株サービスを利用中
信用取引の担保(代用有価証券)として預けている株式や、貸株サービスで貸し出し中の株式は、そのままでは移管できません。移管するためには、信用取引の建玉を決済したり、貸株を返却してもらったりする手続きを先に行う必要があります。
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移管先の証券会社で取り扱いのない銘柄
外国株式や一部のETF(上場投資信託)などは、証券会社によって取扱銘柄が異なります。移管しようとしている銘柄を、移管先の証券会社が取り扱っていない場合は移管できません。特に外国株の移管を考えている場合は、事前に移管先での取り扱いがあるか必ず確認しましょう。
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投資信託やFXなど株式以外の商品
この手続きはあくまで「株式」を対象としたものです。投資信託やFX、債券などは、株式移管の仕組みでは移動できません。投資信託の移管については、別途手続きが必要となり、移管先の証券会社で同じ投資信託を取り扱っている必要があります。
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単元未満株(端株)
通常、株式は100株を1単元として取引されますが、それ未満の株数(1株~99株)を単元未満株と呼びます。証券会社によっては、この単元未満株の移管に対応していない場合がありますので、事前に確認が必要です。
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移管手続き中に売買注文を出している
移管手続きを申し込んだ後に、その銘柄の売買注文を出すと、株数が変わってしまい手続きがエラーになる可能性があります。移管が完了するまでは、対象銘柄の売買は控えるようにしましょう。
特に注意!NISA口座の株式を移す場合

新NISAの開始を機に、NISA口座を別の金融機関に移したいと考えている方も多いでしょう。しかし、前述の通りNISA口座内の株式は、そのまま他の金融機関に移管することはできません。
では、どうすればよいのでしょうか。手順は以下の通りです。
- 現在の証券会社で、NISA口座で保有する株式を「課税口座(特定口座または一般口座)」に払い出す手続きをします。
- 課税口座に移された株式を、通常の株式移管の手続きで、新しい証券会社の課税口座へ移します。
【重要ポイント】
- NISA口座から課税口座に払い出した時点で、その株式は非課税のメリットを失います。その後の値上がり益や配当金には税金がかかるようになります。
- 一度売却して、新しいNISA口座で買い直すという方法もありますが、その場合、売却した分の非課税投資枠が復活するのは翌年以降になります(2024年からの新NISA制度の場合)。
NISA口座の金融機関変更は、年間の取引状況などによってその年に変更できない場合もあるなど、ルールが複雑です。手続きを進める前に、現在の証券会社と新しい証券会社の両方に手順をよく確認することをおすすめします。
株式移管におすすめの証券会社
これから株式移管をするなら、手数料が安く、サービスが充実しているネット証券がおすすめです。ここでは、特に人気が高く、移管先として選ばれることの多い3社をご紹介します。
| 証券会社 | 特徴 | 移管手数料 |
|---|---|---|
| SBI証券 | 口座開設数No.1の最大手。取扱商品が豊富で、TポイントやVポイント、Pontaポイント、dポイントなど提携ポイントサービスが多彩。取引ツールも高機能で初心者から上級者まで幅広く対応。 | 入庫・出庫ともに無料 |
| 楽天証券 | 楽天ポイントが貯まる・使えるのが最大の魅力。日経新聞が無料で読める「日経テレコン」や、高機能な取引ツール「マーケットスピード」が人気。楽天経済圏をよく利用する方におすすめ。 | 入庫・出庫ともに無料 |
| マネックス証券 | 米国株の取扱銘柄数が豊富で、分析ツール「銘柄スカウター」の評判が高い。投資初心者向けのコンテンツも充実しており、学びながら投資を始めたい方にぴったり。 | 入庫・出庫ともに無料 |
※上記の情報は2025年11月時点のものです。最新の情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。
これらのネット証券は、株式移管の手数料が無料なだけでなく、国内株式の売買手数料も無料化(または条件付きで無料)する動きが進んでいます。長期的なコスト削減という点でも、移管を検討する価値は大きいでしょう。
まとめ
株式移管は、複数の証券会社に散らばった資産を一つにまとめ、管理を効率化し、取引コストを削減するための有効な手段です。手続き自体は書類の提出が中心で、それほど難しいものではありません。
しかし、「NISA口座の株は移管できない」「口座の種類が違うと移管できない」など、いくつかの重要なルールがあります。ご自身の状況が移管可能なケースに当てはまるか、この記事を参考にしっかりと確認し、計画的に手続きを進めましょう。
よりお得で便利な証券会社に資産をまとめることで、あなたの投資ライフはさらに快適になるはずです。
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Sources
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