【初心者向け】株の税金完全ガイド!確定申告は必要?損しないための知識を2025年最新情報で徹底解説

【初心者向け】株の税金完全ガイド!確定申告は必要?損しないための知識を2025年最新情報で徹底解説

「株で利益が出たけど、税金はどうなるの?」「確定申告って自分にも必要なの?なんだか難しそう…」

株式投資を始めたばかりのビジネスパーソンや初心者の方にとって、税金の話は少し複雑で分かりにくいものかもしれません。しかし、正しい知識がないと、本来払わなくてもよい税金を払ってしまったり、逆に必要な手続きを忘れて後から追徴課税されたりする可能性もあります。

この記事では、株式投資における税金の基本的な仕組みから、面倒な確定申告の手順、さらには知っていると得をする節税テクニックまで、2025年時点の最新情報に基づいて、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく解説します。この記事を読めば、株の税金に関する不安が解消され、安心して投資に取り組めるようになります。

【ステップ1】まずは口座から!税金の手間が変わる3つの口座タイプ

株式投資の税金の話は、まずご自身がどの種類の証券口座を使っているかを確認するところから始まります。口座の種類によって、税金の支払い方や確定申告の手間が大きく異なるからです。主に「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3つがあります。

証券口座 選択肢 イメージ

特定口座(源泉徴収あり):一番人気!おまかせ全自動タイプ

特徴:
投資初心者に最もおすすめなのがこの口座です。株を売って利益が出たり、配当金を受け取ったりするたびに、証券会社が自動で税金(所得税15.315%+住民税5%)を計算して天引きし、納税まで代行してくれます。 [2, 3] そのため、原則として自分で確定申告をする必要がなく、手間が一切かからないのが最大のメリットです。 [1, 7] 会社員の方で、特にこだわりがなければ、まずこの口座を選んでおけば間違いありません。

特定口座(源泉徴収なし):自分で申告する節約志向タイプ

特徴:
こちらも証券会社が1年間の損益を計算して「年間取引報告書」という書類を作成してくれる点は「源泉徴収あり」と同じです。 [1] しかし、利益が出ても税金の天引きは行われません。その代わり、利益が出た場合は自分で確定申告をして納税する必要があります。 [2]
一見面倒に思えますが、例えば年間の利益が20万円以下の会社員の場合、所得税の確定申告が不要になる特例があるため、源泉徴収されないこの口座の方が有利になることがあります。 [6, 13] ただし、この場合でも住民税の申告は別途必要になる点には注意が必要です。 [12]

一般口座:すべて自己管理の上級者タイプ

特徴:
証券会社は損益計算を行ってくれません。 [1] 1年間のすべての取引について、投資家自身で売買損益を計算し、確定申告を行う必要があります。 [5] 非上場株式など、特定口座では扱えない商品を取引する場合に利用されますが、手間が非常に大きいため、初心者が積極的に選ぶメリットは少ないでしょう。

以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。

口座タイプ 特徴 メリット デメリット
特定口座(源泉徴収あり) 証券会社が損益計算・源泉徴収・納税を代行 原則、確定申告が不要で手間いらず [3] 利益20万円以下でも税金が引かれる [7]
特定口座(源泉徴収なし) 証券会社が損益計算。納税は自分で行う 年間利益20万円以下なら所得税の申告不要 [6] 利益が出たら確定申告が必要 [2]
一般口座 自分で損益計算・確定申告・納税を行う 非上場株なども扱える 計算・申告の手間が非常に大きい [5]

【ステップ2】税率はいくら?株の利益にかかる税金の基本

株式投資で得た利益には、どれくらいの税金がかかるのでしょうか。基本はとてもシンプルです。

譲渡益と配当金、どちらも税率は約20%

株を売って得た利益(譲渡益)と、企業から受け取る配当金には、合計で20.315%の税金がかかります。 [3]

  • 所得税+復興特別所得税:15.315%
  • 住民税:5%

これは「申告分離課税」といって、給料など他の所得とは合算せずに、株の利益だけで独立して税金を計算する仕組みです。 [3] そのため、株でいくら利益が出ても、税率は原則この約20%で一定です。

配当金は確定申告しない選択も可能

上場企業の配当金は、受け取る際にすでに20.315%の税金が源泉徴収されています。 [3] そのため、何もしなくても納税は完了しており、確定申告は原則不要です(申告不要制度)。 [10]
ただし、後述する「損益通算」を使いたい場合など、あえて確定申告をすることも可能です。

【ステップ3】知らなきゃ損!税金を取り戻す節税テクニック

「今年はA株で儲かったけど、B株で損しちゃった…」そんな時に役立つのが「損益通算」と「繰越控除」という2つの制度です。これらを活用するには確定申告が必要ですが、払い過ぎた税金が戻ってくる可能性があるので、ぜひ覚えておきましょう。

損益通算:利益と損失を合算して税金を減らす

損益通算とは、同じ年の利益と損失を相殺(合算)できる仕組みです。 [8, 20]
例えば、年間の取引で以下のような結果だったとします。

  • A株の利益:+50万円
  • B株の損失:-30万円

何もしないと、A株の利益50万円に対して約10万円の税金がかかります。しかし、確定申告をして損益通算を行えば、利益と損失が相殺され、課税対象は20万円(50万円 – 30万円)に減ります。その結果、税金は約4万円となり、約6万円も節税できるのです。

損益通算 仕組み 図解

さらに、その年の株の売却損失は、同じ年の配当金と相殺することも可能です。 [18] これにより、配当金から天引きされた税金が還付されるケースもあります。

繰越控除:損失を3年間持ち越して将来の利益と相殺

年間の損失が利益を上回り、損益通算してもまだマイナスが残ってしまった場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越せる制度が「繰越控除」です。 [4, 8]
例えば、2025年に100万円の損失が出てしまったとします。この年に確定申告をしておけば、この100万円の損失を2026年、2027年、2028年の利益と相殺できます。 [4] もし2026年に80万円の利益が出ても、前年から繰り越した損失と相殺できるため、2026年の税金はゼロになります。大きな損失を出してしまった年こそ、将来の節税のために必ず確定申告をしておきましょう。

【重要ポイント】
繰越控除の適用を受けるには、損失が出た最初の年だけでなく、取引がない年も含めて、繰り越している期間中は毎年連続で確定申告を行う必要があります。 [16] 一度でも申告を忘れると、権利がなくなってしまうので注意してください。

【ステップ4】自宅で完結!e-Taxを使った確定申告の流れ

「確定申告って税務署に行かないといけないの?」と思うかもしれませんが、今は国税電子申告・納税システム「e-Tax」を使えば、スマートフォンやパソコンから簡単に手続きができます。 [5] 初心者でも分かりやすいように、大まかな流れを解説します。

e-Tax 確定申告 スマホ

Step 1:事前準備

  • マイナンバーカード:e-Taxの利用には必須です。電子証明書が内蔵されています。
  • スマートフォンまたはICカードリーダー:マイナンバーカードを読み取るために使います。

Step 2:必要書類の収集

申告書を作成する前に、以下の書類を手元に用意しましょう。

  • 特定口座年間取引報告書:証券会社から1月末頃までに交付されます。1年間の損益や源泉徴収された税額が記載されており、これが最も重要な書類です。 [5]
  • 給与所得の源泉徴収票:会社員の場合、勤務先から年末に配布されます。
  • その他控除証明書:医療費控除やふるさと納税など、他に申告するものがあれば用意します。

Step 3:国税庁のサイトで申告書を作成

  1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。 [14]
  2. 画面の指示に従い、マイナンバーカードを使ってログインします。
  3. 「株式等の譲渡所得等」の項目を選択します。
  4. 「特定口座年間取引報告書」の内容を見ながら、譲渡所得(利益や損失)の金額や源泉徴収税額などを入力していきます。 [15]
  5. 給与所得やその他の控除も入力します。システムが自動で税額を計算してくれます。

Step 4:データの送信

すべての入力内容を確認したら、最後にマイナンバーカードで電子署名を行い、データを送信すれば手続きは完了です。 [15]

Step 5:納税または還付

  • 納税:追加で税金を納める必要がある場合は、インターネットバンキングやクレジットカード、コンビニ払いなどで納付します。
  • 還付:税金を払い過ぎていた場合は、申告書に記載した銀行口座に後日、還付金が振り込まれます。e-Taxで申告すると、紙での申告よりも還付が早い傾向にあります。

【ステップ5】あなたは必要?確定申告ケース別診断

最後に、どのような場合に確定申告が必要か、または申告した方が得なのかを具体的なケースでまとめます。

ケース 確定申告 理由
源泉徴収あり口座のみで利益が出た 不要 証券会社が納税を代行してくれるため。 [7]
源泉徴収なし口座・一般口座で利益が出た(会社員で20万円超) 必要 自分で納税する義務があるため。 [25]
複数の証券会社で取引し、片方で利益、もう片方で損失が出た した方が得 損益通算で払い過ぎた税金が戻る可能性がある。 [8]
年間トータルで損失が出た した方が得 繰越控除で翌年以降3年間の節税につながる。 [4, 16]
医療費控除やふるさと納税などで元々確定申告をする ついでに申告 損失があるなら、ついでに申告して繰越控除を活用するのがおすすめ。

まとめ:正しい知識で賢く付き合おう

株式投資の税金と確定申告は、一見すると複雑に感じますが、基本的なルールを理解すれば決して難しいものではありません。 [10]

  • 口座選びが第一歩:初心者は「特定口座(源泉徴収あり)」なら原則申告不要で安心。 [1]
  • 税率は約20%:株の利益にかかる税率はシンプル。
  • 節税制度を活用:「損益通算」と「繰越控除」は、税金を取り戻すための強力な味方。活用するには確定申告が必要。 [8, 25]
  • 確定申告は怖くない:e-Taxを使えば自宅からでも手続き可能。 [4]

特に会社員の方は、普段あまり馴染みのない確定申告に戸惑うかもしれません。しかし、本記事で解説したポイントを押さえておけば、損をすることなく、むしろお得になるケースもたくさんあります。正しい知識を身につけ、賢く税金と付き合いながら、これからの株式投資を楽しみましょう。