初心者向け:株式スクリーナーを活用した銘柄発掘完全ガイド

【初心者向け】株式スクリーナー徹底活用ガイド!使い方から銘柄発掘まで

株式投資 銘柄探し 悩み

株式投資を始めたばかりの方が最初に直面する壁、それは「数千社もある上場企業の中から、どの銘柄に投資すれば良いのか分からない」という問題ではないでしょうか。やみくもに銘柄を探しても時間がかかるばかりか、確かな根拠のない投資は大きなリスクを伴います。そんな銘柄選びの強力な味方となるのが「株式スクリーナー(銘柄スクリーニング機能)」です。

この記事では、株式投資初心者の方でも安心して使えるように、株式スクリーナーの基本的な仕組みから、具体的な使い方、そして選んだ銘柄をどのように投資に活かしていくかまで、丁寧に解説していきます。専門用語はできるだけ避け、必要な場合は分かりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

第1章:株式スクリーナーとは?銘柄選びを効率化する「ふるい分け」ツール

株式スクリーナーとは、ひとことで言えば「条件を指定して銘柄を絞り込むツール」のことです。スクリーナー(Screener)は「ふるい」を意味し、その名の通り、膨大な数の銘柄の中から、あなたが設定した条件に合うものだけを自動で「ふるい分け」してくれます。 [17]

例えば、「株価が割安で、経営が安定していて、これからの成長も期待できる会社に投資したい」と考えたとします。これをスクリーナーを使わずに探すのは至難の業です。しかし、スクリーナーを使えば、

  • 「PER(株価収益率)が15倍以下」(割安性の指標)
  • 「自己資本比率が50%以上」(財務の安定性を示す指標)
  • 「売上高の伸び率が年10%以上」(成長性を示す指標)

といった条件を入力するだけで、これらの基準をすべて満たす企業を数秒でリストアップしてくれるのです。これにより、銘柄探しの時間を大幅に短縮できるだけでなく、客観的なデータに基づいた根拠のある銘柄選びが可能になります。

第2章:初心者が押さえるべき!代表的な5つのスクリーニング条件

株式スクリーナー 条件設定画面

スクリーナーでは非常に多くの条件を設定できますが、初心者のうちはどれを使えばよいか迷ってしまいますよね。ここでは、まず押さえておきたい基本的かつ重要な5つの指標を、その意味と活用例とともに紹介します。

1. PER(株価収益率):株価の「割安度」を測る

PER (Price Earnings Ratio) は、現在の株価がその会社の「1株あたりの利益」の何倍になっているかを示す指標です。 [20] 計算式は「株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)」で、この数値が低いほど、会社の利益に対して株価が割安であると判断されます。 [19] 一般的に、日経平均株価の平均PERは15倍前後と言われており、これを下回る銘柄は割安と判断されることが多いです。 [19] スクリーニングでは「PER15倍以下」といった条件で、お買い得な可能性のある銘柄を探すのに役立ちます。ただし、業種によって平均PERは異なるため、同業他社との比較も重要です。 [26, 34]

2. ROE(自己資本利益率):企業の「稼ぐ力」を測る

ROE (Return on Equity) は、株主が出したお金(自己資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す指標です。 [19, 23] 計算式は「当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 (%)」で、この数値が高いほど「稼ぐ力」が強い、収益性の高い企業だと評価できます。 [20] 一般的に、ROEは8%~10%を超えると優良企業の一つの目安とされています。 [13, 21] 日本の上場企業全体の平均ROEも近年は9%台で推移しています。 [33] スクリーニングで「ROE10%以上」などの条件を加えることで、効率的な経営を行っている優良企業候補を絞り込むことができます。

3. 売上高成長率:企業の「成長性」を見る

企業の成長性を測る最も基本的な指標が売上高成長率です。文字通り、売上高が過去と比較してどれだけ伸びているかを示します。特に、将来の株価上昇を期待する「成長株」投資では非常に重要な指標となります。
スクリーニングでは、「過去3年間の平均売上高成長率が10%以上」のように設定することで、勢いのある成長企業を見つけ出すことができます。 [13] ただし、高すぎる成長率は一時的な要因である可能性もあるため、なぜ成長しているのか(新製品のヒット、市場の拡大など)を後でしっかり調べることが大切です。

4. 時価総額:企業の「規模感」を知る

時価総額は「株価 × 発行済株式数」で計算され、その企業の規模や市場での評価額を示します。いわば「会社全体の値段」です。時価総額によって、企業は以下のように分類されます。

  • 大型株:時価総額が大きく(数千億円~数兆円)、安定感がある。
  • 中型株:大型株と小型株の中間。
  • 小型株:時価総額が比較的小さく(数百億円以下)、値動きは大きいが、将来大きく成長する可能性を秘めている。 [13]

自分の投資スタイルに合わせて、「小型株に絞って将来のテンバガー(株価10倍)候補を探したい」あるいは「安定した大型株に投資したい」といった形で、時価総額でスクリーニングの対象を絞ることができます。

5. 出来高:銘柄の「人気度」と「取引のしやすさ」を測る

出来高とは、ある一定期間(通常は1日)にどれだけの株数が売買されたかを示す数値です。出来高が多いということは、その銘柄が多くの投資家から注目されており、取引が活発(人気がある)ことを意味します。
初心者にとって出来高が重要なのは、流動性リスクを避けるためです。出来高が極端に少ない銘柄は、買いたい時に買えず、売りたい時に売れない可能性があります。スクリーニングで「1日の平均出来高が10万株以上」などの条件を加えておくことで、そうした取引しづらい銘柄を避け、安心して売買できる銘柄に絞り込めます。

第3章:無料で使える!初心者におすすめの株式スクリーナー比較

株式スクリーナーは、証券会社のサイトや金融情報サイトで無料で利用できるものが数多くあります。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

サービス名 提供元 特徴 利用条件
スーパースクリーナー 楽天証券 検索項目が非常に豊富で、日本株だけでなく米国株にも対応。初心者から上級者まで幅広く使える高機能ツール。 [2] 楽天証券の口座開設(無料)が必要。 [2]
国内株式銘柄スクリーニング SBI証券 基本的な指標に加え、独自のクォンツスコア(統計的な評価)での検索も可能。検索条件を最大6セットまで保存できる。 [4, 12] SBI証券の口座開設(無料)が必要。 [13]
マネックス銘柄スカウター マネックス証券 過去10年以上の長期業績をグラフで視覚的に確認できるのが強み。企業分析に特化した機能が充実している。 [3, 6] マネックス証券の口座開設(無料)が必要。 [5, 6]
株価スクリーナー Yahoo!ファイナンス 口座開設不要で誰でも手軽に利用できる。基本的な指標は揃っており、まずは試してみたいという場合に最適。 誰でも無料で利用可能。

基本的には、ご自身がメインで利用している証券会社のスクリーナーを使うのが便利です。各社とも口座があれば無料で高機能なツールを使えるため、ぜひ一度ログインして試してみてください。

第4章:実践!スクリーニングで有望株を発掘する3ステップ

それでは、実際にスクリーナーを使って銘柄を発掘する流れを3つのステップで見ていきましょう。ここでは例として「割安で、稼ぐ力のある成長小型株」を探すケースを想定します。

ステップ1:スクリーニング条件を設定する

まず、利用するスクリーナーの画面を開き、検索条件を入力します。 [22] 今回のテーマに沿って、以下のように条件を設定してみましょう。

  • 市場:全市場
  • 時価総額:1000億円以下(小型株~中型株)
  • PER:15倍以下(割安)
  • ROE:10%以上(高収益性)
  • 売上高成長率(3年平均):10%以上(成長性)

これらの条件を入力し、「検索」ボタンをクリックします。

ステップ2:検索結果を確認し、さらに絞り込む

銘柄スクリーニング 結果一覧

検索を実行すると、設定した条件をすべて満たす銘柄のリストが表示されます。数千あった銘柄が、数十社程度まで一気に絞り込まれているはずです。これがスクリーナーの力です。
次に、リストアップされた銘柄の中から、自分が事業内容を理解できる、興味を持てる会社に注目します。全く知らない業界の会社よりも、身近な製品やサービスを提供している会社の方が、今後の分析も進めやすいでしょう。

ステップ3:個別銘柄を詳しく分析する

スクリーニングはあくまで「候補者リスト」を作る作業です。リストに残った銘柄が本当に投資に値するかどうかは、ここから先の個別分析にかかっています。
最低限、以下の2点は必ず確認しましょう。

  1. 会社のホームページでIR情報を確認する:最新の決算短信や事業内容をチェックし、「なぜ業績が良いのか」「今後の計画はどうか」を理解します。
  2. 『会社四季報』や証券会社のレポートを読む:第三者の客観的な視点での企業分析を確認します。良い点だけでなく、リスクについても書かれているため参考になります。

この分析を通じて、スクリーニングの数値だけでは見えなかった企業の強みや課題を把握し、最終的な投資判断を下します。

第5章:初心者が注意すべき3つのポイント

非常に便利なスクリーナーですが、使い方を間違えると思ったような結果が得られないこともあります。初心者が特に注意すべき3つのポイントを解説します。

1. 条件を厳しくしすぎない

「PERもROEも最高水準で、成長率も抜群の会社!」と意気込んで条件を厳しく設定しすぎると、該当する銘柄が0件になってしまうことがあります。最初は少し広めの条件から始め、結果を見ながら徐々に絞り込んでいくのがコツです。

2. スクリーニング結果を鵜呑みにしない

繰り返しになりますが、スクリーニング結果はあくまで「投資候補」です。数値上は優秀に見えても、一時的な要因で業績が良かったり、将来性に懸念があったりする「ワケあり銘柄」の可能性もあります。必ず自分自身でその企業のビジネスを調べる一手間を惜しまないでください。

3. 複数の指標で多角的に判断する

PERが低いというだけで「割安だ!」と飛びつくのは危険です。業績が悪化していて株価が下がっているだけの可能性もあります。 [35] 「割安性(PER)」「収益性(ROE)」「成長性(売上高成長率)」など、異なる側面の指標を組み合わせることで、よりバランスの取れた視点で銘柄を評価することができます。

まとめ:スクリーナーを使いこなし、自分だけの宝銘柄を見つけよう!

株式スクリーナーは、多忙な現代人が効率的に有望な投資先を見つけ出すための、非常に強力なツールです。最初は難しく感じるかもしれませんが、本記事で紹介したような基本的な指標をいくつか組み合わせるだけでも、驚くほど簡単に投資候補を絞り込むことができます。

大切なのは、スクリーナーで銘柄を見つけたら、そこで終わりにしないことです。その企業のビジネスに興味を持ち、深く調べていくプロセスこそが、投資の成功確率を高め、そして何より株式投資の醍醐味でもあります。ぜひ、この記事を参考にスクリーナー活用の第一歩を踏み出し、あなただけの「お宝銘柄」を発掘する旅を始めてみてください。