【初心者ガイド】新興国株投資の始め方!ベトナム・インドの魅力と具体的な投資方法を徹底解説

【初心者ガイド】新興国株投資の始め方!ベトナム・インドの魅力と具体的な投資方法を徹底解説

「将来のために資産を増やしたいけど、日本やアメリカの株はすでに高くて手が出しにくい…」と感じている方も多いのではないでしょうか。そんな今、注目を集めているのが「新興国株」への投資です。この記事では、なぜ新興国株が魅力的なのか、どんなリスクがあるのか、そして特に成長が期待されるベトナムやインドといった国々への具体的な投資方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

1. そもそも「新興国株」って何?先進国株との違い

まず基本から押さえましょう。「新興国」とは、現在は先進国に比べて経済規模が小さいものの、これから大きく経済が成長する可能性を秘めた国々のことを指します。 [15, 19] 具体的には、アジア、中南米、東ヨーロッパなどの国々がこれにあたります。そして「新興国株」とは、そうした国々の企業が発行する株式のことです。 [19]

新興国 市場 グラフ

先進国株(日本やアメリカなど)と新興国株の最も大きな違いは「成長率」と「リスク」のバランスです。

  • 高い経済成長率: 新興国はインフラ整備や国内消費の拡大など、経済が発展途上にあるため、GDP(国内総生産)の成長率が先進国よりも高い傾向にあります。 [19, 24] これに伴い、企業の業績も大きく伸びる可能性があり、株価の大きな上昇が期待できます。
  • 人口ボーナス: 新興国の多くは、子どもや高齢者に比べて働く世代(生産年齢人口)の割合が高い「人口ボーナス期」にあります。若い労働力が豊富で、消費も活発なため、経済成長を力強く後押しします。
  • ハイリスク・ハイリターン: 高い成長が期待できる一方で、新興国は政治や経済が不安定な場合も多く、株価の変動が激しくなりがちです。 [15, 24] また、通貨の価値が大きく変動する為替リスクも伴います。まさに「ハイリスク・ハイリターン」な投資先と言えるでしょう。 [24]

つまり新興国株は、先進国株に比べて値動きの幅は大きいものの、それを上回る大きなリターンを得られる可能性を秘めた、魅力的な投資対象なのです。

2. 新興国株投資のメリット:なぜ今注目されるのか?

新興国株への投資には、主に2つの大きなメリットがあります。

メリット1:高い成長性による大きなリターンへの期待

最大の魅力は、なんといってもその成長性の高さです。 [24] 先進国が成熟し、経済成長が年数%に落ち着いているのに対し、新興国では年5%を超える高い成長を遂げている国も珍しくありません。経済が成長すれば、そこで活動する企業の売上や利益も増え、それが株価の上昇に繋がります。将来、今のGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)のような世界的な大企業が、今の新興国から生まれるかもしれません。その成長の果実を早期に得るチャンスがあるのが、新興国株投資の醍醐味です。

メリット2:分散投資によるリスク低減効果

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。これは、一つの資産に集中投資するのではなく、複数の異なる値動きをする資産に分けて投資(分散投資)することで、全体のリスクを抑えようという考え方です。
新興国は、先進国とは異なる経済サイクルで動くことがあります。 [24] 例えば、アメリカの景気が後退していても、アジアの新興国は内需の拡大で好調を維持するといったケースです。このように、先進国株だけでなく新興国株をポートフォリオ(資産の組み合わせ)に加えることで、地理的な分散が効き、資産全体の値動きを安定させる効果が期待できるのです。 [15, 23]

3. 新興国株投資のリスクと注意点

魅力的なメリットがある一方で、無視できないリスクも存在します。投資を始める前に、必ず以下の点を確認しておきましょう。

  • カントリーリスク: 新興国は政治体制が不安定だったり、突然の政策変更があったりと、その国特有の政治・経済リスク(カントリーリスク)が高い傾向にあります。 [15] 紛争やデモ、大規模な災害などが起これば、株式市場が大きく混乱する可能性があります。
  • 為替変動リスク: 新興国株に投資する場合、日本円を現地通貨に替えて投資することになります。新興国の通貨は米ドルや円といった主要通貨に比べて価値が不安定で、大きく下落することがあります。株価が現地通貨ベースで上昇していても、円に換算したら為替で損をしてしまい、結果的にマイナスになる「為替差損」のリスクがあります。
  • 流動性リスク: 新興国の株式市場は、先進国に比べて市場規模が小さく、取引量が少ないことがあります。 [24] そのため、売りたい時にすぐに売れなかったり、希望する価格で取引が成立しなかったりする「流動性リスク」が存在します。 [24]
  • 情報の透明性: 企業の財務情報開示のルールが十分に整備されていなかったり、正確な情報をタイムリーに入手するのが難しかったりする場合があります。言語の壁もあり、投資判断に必要な情報を集めるのが困難なケースも考えられます。

これらのリスクを完全に無くすことはできませんが、「長期・積立・分散」を心がけることで、リスクをある程度コントロールすることが可能です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長い目で成長を見守る姿勢が大切です。 [24]

4. 【注目国①】若さと活気の国・ベトナム

ベトナム 経済成長

数ある新興国の中でも、特に投資家の注目を集めているのがベトナムです。

ベトナム経済の現状と強み

ベトナム経済は、近年目覚ましい成長を遂げています。2023年の実質GDP成長率は5.05%を記録し、コロナ禍からの力強い回復を見せました。 [3, 12] さらに2024年には7.09%という高い成長を達成しており、世界的に見てもトップクラスの成長国です。 [7]

この高成長を支えているのは、以下の3つの要因です。

  1. 豊富な若年労働力: 平均年齢が約30歳と非常に若く、活力ある労働力が豊富です。 [3] これからの消費を担う中間層も増加しており、巨大な国内市場の成長が期待されています。
  2. 「世界の工場」としての地位確立: かつての中国のように、世界の製造拠点としての存在感を高めています。特に米中貿易摩擦を背景に、生産拠点を中国からベトナムへ移す「チャイナプラスワン」の動きが加速しており、サムスンなどのグローバル企業が大規模な工場を構えています。 [3] 電子製品や衣料品の輸出が経済を力強く牽引しています。 [3]
  3. 積極的な外資導入: 政府が安定しており、外国からの直接投資(FDI)を積極的に受け入れています。 [3, 12] 海外からの資本流入が、インフラ整備や雇用創出を促し、さらなる経済成長の好循環を生んでいます。

電力不足やインフラの未整備といった課題も残されていますが、それを補って余りある成長ポテンシャルから、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも特に有望な投資先と見なされています。

5. 【注目国②】人口世界一の巨人・インド

インド 人口ピラミッド

次なる注目国は、21世紀の主役と目されるインドです。

インド経済の現状と強み

2023年、インドは中国を抜いて人口世界一の国となりました。 [17] 2023年度(2023年4月~2024年3月)のGDP成長率は8.2%と驚異的な高さを記録し、世界最速で成長する主要経済国としての地位を固めています。 [8, 10, 11] IMF(国際通貨基金)も、インドが今後も高い成長率を維持すると予測しており、2025年には日本を抜いて世界第4位の経済大国になるとの見方もあります。 [17]

インドの強みは、以下の3つのキーワードで表せます。

  1. 巨大な人口と若さ(人口ボーナス): 14億人を超える巨大な人口、そして国民の平均年齢が約28歳という圧倒的な若さが最大の武器です。 [17] これからますます増える労働力と、拡大を続ける国内消費市場が、長期的な経済成長の原動力となります。
  2. 世界トップクラスのIT産業: インドは優秀なIT技術者を数多く輩出しており、ソフトウェア開発やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)といったITサービスの輸出大国です。 [8] 世界的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の波に乗り、この強みは今後さらに増していくでしょう。
  3. 政府主導の製造業振興策「Make in India」: 政府が「インドでものづくりを」と掲げ、海外企業の製造拠点誘致に力を入れています。AppleがiPhoneの生産をインドで拡大するなど、ITだけでなく製造業の拠点としても台頭しつつあります。 [8]

インフラ不足や所得格差といった課題は依然として残るものの、「若い人口 × 巨大市場 × IT産業」という三拍子が揃ったインドは、今後数十年にわたって世界経済を牽引する存在になる可能性を秘めており、世界中の投資マネーを引きつけています。

6. 初心者向け!ベトナム・インドへの具体的な投資方法

「ベトナムやインドが有望なのはわかったけど、どうやって投資すればいいの?」という疑問にお答えします。海外の個別株を直接買うのは初心者にはハードルが高いですが、もっと手軽に投資できる方法があります。それが「ADR」「ETF」です。

ADR(米国預託証券)- 海外の有望企業を米国株のように買う

ADR(American Depositary Receipt)とは、アメリカ以外の国の企業の株式を、米国の証券取引所で米ドル建てで売買できるようにしたものです。 [32] 例えば、インドを代表するIT企業のインフォシス(INFY)や、自動車大手のタタ・モーターズ(TTM)は、ADRとしてニューヨーク証券取引所に上場しており、SBI証券や楽天証券などの米国株取引口座から、まるでアップルやアマゾンの株を買うのと同じように手軽に購入できます。 [30]

メリット:
・米国株と同じ口座で、米ドルで手軽に取引できる。
・特定の有望企業に集中して投資できる。

注意点:
・個別株なので、その企業の業績悪化などのリスクを直接負うことになる。
・ベトナム企業のADRは、現時点ではほとんどありません。

ETF(上場投資信託)- 1本で国全体にまるごと分散投資

ETF(Exchange Traded Fund)とは、特定の株価指数(例えば日経平均株価など)に連動するように運用される、取引所に上場している投資信託のことです。 [29] 株式と同じように、リアルタイムで価格を見ながら売買できます。

ベトナムやインドの株式市場全体に連動するETFも存在し、これを1つ買うだけで、その国の主要企業数十社にまとめて分散投資したのと同じ効果が得られます。 [28, 31]

【具体的なETFの例】

対象国 主なETF(ティッカー/証券コード) 取引市場 特徴
ベトナム VanEck Vietnam ETF (VNM) 米国 ベトナム株ETFとして最も代表的な銘柄の一つ。米国株口座で購入可能。
インド iShares MSCI India ETF (INDA) 米国 インドの大型〜中型株で構成される指数に連動。米国株口座で購入可能。
NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信 (1678) 日本(東証) インドの代表的な株価指数「Nifty 50」に連動。日本の証券口座で円建てのまま売買できる。

メリット:
・1つの商品で手軽に分散投資ができ、リスクを抑えられる。 [23]
・個別企業を分析する手間が省けるため、初心者に最適。

注意点:
・信託報酬(運用管理費用)というコストがかかる。
・市場全体に投資するため、個別株のような爆発的な値上がりは期待しにくい。

初心者の方には、まずETFでその国全体の成長の恩恵を受けつつ、慣れてきたらADRで特に応援したい企業に投資する、というステップがおすすめです。

7. その他の注目新興国

ベトナムやインド以外にも、魅力的な新興国はたくさんあります。

  • インドネシア: 人口約2億8000万人と世界第4位の規模を誇り、ASEAN最大の経済大国です。 [4] 豊富な天然資源と力強い内需を両輪に、安定した経済成長が続いています。 [4, 18] 2025年には5.1%から5.4%のGDP成長が予測されています。 [4, 13]
  • ブラジル: 南米最大の経済大国で、鉄鉱石や大豆などの資源が豊富な国です。 [25, 26] 政治的な不安定さはリスクですが、その巨大な市場と資源のポテンシャルは依然として魅力的です。2025年のGDP成長率は2.5%と予測されています。 [6, 20, 27]

他にもメキシコ、南アフリカ、トルコなど、それぞれに特色と成長可能性を持った国々があります。視野を広げて、さまざまな国に分散投資することも検討してみましょう。

8. まとめ:未来の成長を資産に取り込もう

新興国株投資は、高いリターンが期待できる一方で、先進国株にはない特有のリスクも伴います。しかし、そのリスクを正しく理解し、コントロールすることで、将来の大きな資産成長に繋がる可能性を秘めています。

【初心者のための新興国株投資 3つの鉄則】

  1. まずは少額から: 生活に影響のない余剰資金で始めましょう。
  2. 分散を徹底する: 一つの国や銘柄に集中せず、ETFなどを活用して広く分散投資しましょう。
  3. 長期的な視点を持つ: 短期的な価格の上下に惑わされず、数年から十年単位の長い目で成長を見守りましょう。

この記事を参考に、まずはSBI証券や楽天証券などのネット証券で口座を開設し、月々数千円からの積立投資で「インドのETFを1本買ってみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか。未来の世界経済を牽引する国々の成長を、あなたの資産形成にぜひ取り入れてみてください。